自閉症の疑いのある我が子、言葉の遅れがあり病院にて言語療法を受けることとなりました。
転居の都合で8ヵ月と短い通院となりましたが、
短期間でも受けてよかった!自分でこれはできないだろうと
感じたことがありましたので具体的な内容をまとめたいと思います。
我が子が受けた言語療法
まずはざっとどのような感じかお伝えすると、
・1回40分
・言語聴覚士の先生とマンツーマン
・月2回で計15回通う
・3ヵ月毎にフィードバックあり
・費用は無料(医療費受給者証があれば)
そして、(当時の)我が子のプロフィールは以下のような感じ
自閉症の可能性高・相手の表情から感情をくみ取り、話すのが苦手
・自分から話しかけることができない
・市のことばの相談室では応答検査で実年齢よりも1歳以上ことばの遅れがあると指摘される
検査・リハビリ内容
検査結果で実年齢より言葉の遅れがあると認められました。
(実年齢5歳6か月に対し、4歳台の結果)
・言葉の意味を説明するのが苦手
→お風呂ってどうやって入る?何する所?という説明が全くできず、「わからない」と答える
・カードを見て「誰が何をしている所?」という質問に「女の子が遊んでいる」という短い文章でしか答えられない(他にもボールで遊んでる、男の子と一緒に遊んでいるなど情報がある中で)
という感じで他の人にも伝わりやすく話せるように絵カードでの説明や質問ごっこなどを通して練習することとなりました。
具体的には
・援助要求
・パズル
・なぞなぞの出し合い
・絵カードを見て何をしているかの説明
・絵合わせカードで時系列の説明
・カードを見てどっちか好きかとその理由の質問ごっこ
部屋は真っ白で机と椅子・時計・小さい窓があるのみ。
子どもの気が散らないような作りになっています。母は子の横に座ります。
毎回一通りするので40分はあっという間です。
子どもの様子
まずは、挨拶から。挨拶は覚えたら毎回同じ単語ですが、雑談は違いますよね。
「今日の給食何だった?」「今の天気は?」「今日は何曜日?」「幼稚園で何して遊んだ?」
という類の雑談は一端頭で考えて言葉にしないといけないので難しいようでした。
(これという正解はないものは言語化するのが難しい様子)
給食のメニューは何個もあり、どれから言えばいいのかわからない。
伝えることが多過ぎるようで「わからない」とギブアップ。
先生が「ごはんかパンだった?」「スープや味噌汁はあった?」
と細かく聞いてくれてやっと言葉が出てきます。
このようなスモールステップを繰り返して慣れさせていく感じでした。
援助要求というのは「困っている時にどう助けを求めるか」を教えてもらいます。
これは人間にとってある意味一番大事な事ですが、SOSが言えないというのも特性としてあったので、何種類か教えてもらいました。
「わからないので教えて」というフレーズを紙に書いて自分の近くに置いておく。それを見て言う。
「わからない」と答えたら「わからない時はどうするんだった?」と先生の指示があり何度も繰り返してスムーズに言えるように訓練しました。(最終的には紙がなくても言えるようになった)
「絵合わせカードで時系列の説明」というのは4コマ漫画のように起承転結の順番を組み立てて説明するというものですが、これも苦戦。
やはり目から入った情報から状況をくみ取る能力は低いようで、
なぜ泣いているのか、どんな気持ちなのかを想像する練習を繰り返ししました。
絵に出てくる人物の表情や背景から状況を想像するというのはこの子にとって難しいことなのだな~
これがコミュニケーションの基礎だから上手くいくようになるといいな~と見守っていましたが、
見守るのももどかしい。
「なんでわからないのよ~」とすぐに思ってしまう私。
これが育児と思いながら横に座っていました。
回数が進むにつれて説明の練習だけではなく、会話に重きを置いたものになってきます。
どっちか好きかゲーム→「犬と猫どっちが好き?」「なんで?」「先生はどっちが好き?」
なぞなぞの例→「果物です。色は赤です。つぶつぶがあるものなーに?」(答えイチゴ)
「紙を切る時に使います。穴が開いています。」(はさみ)
うちの子は視覚的なものを答えがちなので、どんな時に使うか用途などをこたえられるように促されてました。
初めは慣れないし、上手く言葉にあらわせなくて辛そうでした。
「疲れるから行きたくない」とも言っていましたが月2回ということもあって(毎週だと離脱してたかも)なんとか通うことができました。
先生も若い女の先生ということもあり次第に慣れてゲームのお話などしながら楽しそうにしていました。
子どもの話す能力は改善したか
通っている最中に劇的に変わった!!という事は残念ながらなかったです。
ですが、小学校に上がり「隣の席の子と話した」「ハンカチ可愛いと言われた」とクラスメイトの事を話してくれたり、公園で遊ぶ約束もしてきたので、
会話が成り立ってきているのだな~と感じています。
年中の時は「誰も私と遊んでくれない」と言っていたのに。(←おそらく遊ぶ前に会話自体が成立していないと思われる)
1度や2度口に出して練習した単語やフレーズなど、出やすくなってきているのかもしれない。
効果は遅れてやってくるものだしな~と感じました。
また、状況の説明がこれまでできず、運動会で踊る場所も上手く私に伝えられずシャッターチャンスを逃すことがありました(泣)
が、今では「下校時にはここの道を通ってこの順番で並んで帰るよ~」
「小学校の〇〇パークというところで朝顔植えたよ」
と今までは「わからない」(←知っているけれど言語化できない」で終わっていた説明が少しずつできるようになっり、じわじわと効果を感じています。
プロに訓練してもらえてよかったこと
知らない単語に触れる機会
動詞はカードを使っていくつか教えてもらいました。
我が子はバナナの皮で滑っている様子を「すってんころりんした」と答えたのですが、
「すべる」とも言うよ。と口語ではなく(滑るも口語ですが)、文章としての動詞はここで結構覚えられたと思います。
親は客観的に子どもを見られない(人が多い)
私は子どもの言語能力が低いと気づくのが年長になってからと遅かったです。
それは親子ではコミュニケーションがとれているから。
生まれてからずっと一緒にいる我が子ですから意思疎通が言葉が多少拙くてもできますよね。
でも、こちらが汲み取りすぎてしまうと子の能力を客観的に見られないのだなと感じました。
(発音が良くない子のお母さんも幼稚園の先生に言われて初めて気が付いたと言っていた)
で、プロに見てもらうと言葉の中でも特に何が苦手なのか、できるようになってきたことなどフィードバックがもらえるので、ここでやっと客観的な視点を知ることができました。
「話す能力」と言っても素人とプロの視点は当たり前ですが、違いますよね。
あと言葉に限らずうちの子の特性も理解して下さる先生だったのも良かったです。
初めて挑戦する訓練は怖い・自信がなくて答えるのも迷う様子も指摘されました。
「小学校に入ってからは予習をして自信をもって授業に参加すれば発言もできると思います」と言われ、なるほどな~と思いました。
自力の限界
病院の言語療法に通う前、市のことばの相談室に行った時のことです。
「絵本を一緒に読んだり、文字を書いたりして、3語文が出るように・言えるように練習してみて下さい」と言われました。
で、やってみたのですが、中々難しい。
私は読み聞かせは結構好きでやっていたのですが、本人に読ませることや考えさせる・練習させるということをあまりやらせていなかったのですよね。
いざやってみても、できたかどうか、上達しているのかどうかは日常会話では分かりにくい。
私の場合、自己満足な練習になってしまいました。
言語療法はいつまで通うものなのか?
私は引越の為途中でやめる形となりましたが、幼稚園児から始めた場合園児で終了の子もいれば小学校の低学年まで続ける方もいるようです。
具体的なここまでという指標はないので、先生が卒業と判断される場合や親・子がもう大丈夫と終了する事もあるようです。
ちなみにその後の受け入れ先としては、小学校の通級指導教室や放課後デイ(発達障害の診断がある子)があります。 この辺りの体験記はまた他の記事で書きますね。
まとめ
■我が子が受けた言語療法
病院のリハビリ施設で1回40分隔週(マンツーマン)
・親は客観的に子を見られないことが多いので、プロに訓練をしてもらうのが良いと感じた。
・個人的には「わからない」と言う事が少なくなったので状況の説明が少しずつ上達していて通って良かったと感じた。
・小学校に上がりクラスメイトとも会話ができ仲良しの子もできているので一定の効果はあったと感じている。
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